ご挨拶

覧古考新
~生物学的製剤の生誕から20年、新たなリウマチ診療を考える~

 このたび、第33回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会を2023年9月30日(土)・10月1日(日)の両日、アートホテル盛岡にて開催させて頂きます。本学術集会を盛岡で開催できることを岩手医大内科学講座リウマチ・膠原病アレルギー内科分野、岩手医大整形外科学講座ならびに岩手県内のリウマチ診療医一同、たいへん光栄に感じております。岩手医大リウマチ・膠原病アレルギー内科は0から立ち上げた講座で、設立後2年6カ月と非常に若い講座ですが、岩手医大リウマチ膠原病アレルギー内科、整形外科、そして岩手県のリウマチ診療医の先生方と力を合わせて、本学術集会を皆様の記憶に残る学術集会にしたく考えております。

 日本で初めて生物学的製剤が使用されるようになり20年、JAK阻害剤が使用されるようになり10年が経過致しました。リウマチ診療に画期的なパラダイムシフトを起こした生物学的製剤、JAK阻害剤を振り返り、薬剤の選択や適切な使用法を新たに考える場に本学術集会がなればと考えております。また、多くのサイトカインが1980年代後半から1990年代前半にかけて日本人により発見されました。中でも日本発(初)の生物学的製剤も日本人研究者と日本の企業により産み出されています。このような革新的なリウマチ診療に日本人および日本企業が大きく貢献した事実もリウマチ診療を目指す若手の医師・研究者に知って頂く機会になればとも思っております。この学術集会が若い世代の先生方の今後の活躍に繋がり、北海道・東北地区のリウマチ診療(医療)ならびにリウマチ学の関連研究(医学)がより発展することを願っています。9月末から10月初旬にかけての岩手は紅葉が始まる美しい季節となりますが、山々の美しさに負けない魅力的な議論が展開されることを期待し、鋭意準備を進めております。今回、現地での参加を基本としていますが、ご事情で会場にお越し頂くことが困難な先生方にはwebでの参加も可能にしてあります。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第33回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会 会長 仲 哲治
岩手医科大学医学部内科学講座 リウマチ・膠原病・アレルギー内科分野 教授